身体・感情の哲学を語る with 東大生(現代思想専攻)

2023.1.24 (火)

身体・感情の哲学を語る with 東大生(現代思想専攻)

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研究テーマ

お客さんへのメッセージ

フランスの現象学者であるミシェル・アンリの思想(肉の哲学・情感の哲学と呼ばれます)を出発点に、感情・身体から見た私たちの世界に関してお話しします。
アンリの哲学の出発点は現在の私たちの科学的価値観のもととなっているデカルトの「われ思うゆえにわれあり」という言明を、科学主義が立脚する知性の立場としてではなく、
情感の現れとしてとらえるところにあります。

私たちの存在の起源は知性ではなく、感情にある、というアンリの立場は、感情を発露するものとしてアートの価値を捉えなおすことにもつながりますし、
知性優位の状況では見過ごされがちな身体の役割にも目を向けるきっかけとなります。また、アンリの思想はキリスト教的な価値観が含まれている点でも特異的です。
アンリから接続して、キリスト教が身体をどうとらえるのか、という話についても言及できるかと思います。
上述では、アンリにのみ言及していますが、身体・感情の問題というのは、
ロボットに感情は作れるのかというロボット工学の話や、そもそも感情はどう発生するのかという脳科学の話にまで波及していきます。様々な論者の話を織り交ぜつつ、
身体・感情についての話を展開できればと思います。